Small Talk 2

旅の記録 + ちょこっと日常のあれこれ を綴ります

botticelli2015.jpgBunkamuraザ・ミュージアムで『ボッティチェリとルネサンス フィレンツェの富と美』を観てきた。

この展覧会は次のような構成になっていた。

序章 富の源泉:フィオリーノ金貨

第1章 ボッティチェリの時代のフィレンツェ
金融業、商業の栄えたフィレンツェで使用されていた貴重品入れ(ポータブル)、貨幣経済の広まりに伴って、教会が貧困者救済のためその必要性を認めたという“公益質屋”の金庫、南京錠と鍵、為替手形などが展示されていた。
印象に残っているのは、ロフェンツォ・メディチの息子のために数学者が書いたという算術書(算数の教科書)。カラーで見やすく、メディチ家の活動が例題になっているようで、もっと他のページも見てみたかった。

第2章 旅と交易:拡大する世界
大航海時代の前のヨーロッパの交易の中心地であったフィレンツェ。
交易に従事する裕福な人たちは、航海、旅の無事を祈って、大天使ラファエルと旅に出るトビアスを題材にした絵画を画家たちに描かせたのだという。ちなみに、宗教画の中で、トビアスはお守り(魔除け?)の魚を持っていて、大天使ラファエルと一緒に描かれるのが決まりのようなので、素人でも見分けがつけやすい。

第3章 富めるフィレンツェ
人々の贅沢を戒めるため、13世紀以降、フィレンツェでたびたび出されたという奢侈禁止令は、人々の衣服や装飾品だけでなく、婚礼や葬儀などについても節制を求める法令だったのだとか。
結婚の贈り物とされたカッソーネ(婚礼用の長持ち)に描かれた『聖母マリアの婚礼』『聖母マリアの埋葬』には、この奢侈禁止令に則ってちょっと地味目な衣服を身にまとった人々が描かれている部分、決まりを破ってゴージャスになっている部分、両方が描かれていてなかなか面白かった。

第4章 フィレンツェにおける愛と結婚
婚礼時の贈り物にされた象牙の鏡や、精巧な細工が施された象牙の櫛、出産祝いをのせる出産盆などが展示されていた。象牙の櫛はとても1本1本が細く、壊れることを恐れて一度も使わていないのだとか。

第5章 銀行家と芸術家
富を得たフィレンツェの銀行家や商人たちは、自身の名声を得るため、また富を芸術(美)に使うことに対しては庶民や教会からの反発も受けにくかったこともあり、次々に芸術家たちに制作の注文を出していった。
メディチ家の信頼を得たボッティチェリも、その恵まれた環境のもと、次々と名作を生み出していく。
ここでのハイライトは、ピアチェンツァ市立博物館からやってきた、『聖母子と洗礼者ヨハネ』、誕生したばかりのキリストが厩の中ででマリア&ヨセフ夫妻、ヨハネや天使たちに囲まれている『キリストの降臨』、病院の回廊に飾られていたという、横幅5メートルを超える大作『受胎告知』、ボッッティチェリの作品の中で最も有名な『ヴィーナスの誕生』からヴィーナスだけを切り出して描かれた『ヴィーナス』
聖母子と二人の天使を描いた絵も数点展示されていたのだけれど、注文者が異なるからなのだろうか、同じボッティチェリの作品といっても絵によって人物の顔の感じが全然違って興味深かった。

第6章 メディチ家の凋落とボッティチェリの変容
メディチ家没落後、サヴォナローラの影響を受けてボッティチェリの画風も暗く変わっていたとのこと。
サヴォナローラの時代に好まれた、テラコッタの浮彫の紋章なども展示されていた。


前述の『聖母子と洗礼者ヨハネ』をはじめ、フィレンツェのウフィツィ美術館や国立古文書図書館、イタリア国内外の美術館からもたくさん作品が来ていて、なかなか見応えがあった。
現代の大富豪たちにも、ぜひぜひ才能ある芸術家のパトロンになってもらいたいものです。
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