Small Talk 2

旅の記録 + ちょこっと日常のあれこれ を綴ります

シャヴァンヌ展 水辺のアルカディア@Bunkamura 

2014/01/12
Sun. 20:43

Bunkamura25周年記念『シャヴァンヌ展 水辺のアルカディア ピュヴィス・ド・シャヴァンヌの神話世界』に行ってきた。
シャヴァンヌって今回はじめて名前を知ったのだけれど、19世紀のフランスを代表する壁画家とのこと。
“アルカディア”とは古代ギリシャの地名で、その後、牧歌的な楽園、理想郷の代名詞になった地名。いわば「桃源郷」ってやつですね。

シャヴァンヌ展展示は、

第1章 最初の壁画装飾と初期作品
第2章 公共建築の壁画装飾へ アミアン・ピカルディ美術館 1860年代
第3章 アルカディアの創造 リヨン美術館の壁画装飾へ 1870-80年代
第4章 アルカディアの広がり パリ市庁舎の装飾と日本への影響 1890年代


という4部構成になっていた。

ところで、公共建築の壁画って、そんなもの美術館内で展示なんてできないでしょうに・・・という素朴な疑問がわきますが、シャヴァンヌは後年、壁画の縮小画も制作していたとのこと。なので、その縮小画やら習作やらが展示されていたわけなのです(ただし、取り壊された家屋から取り外された実物大の絵も少しはあった)。
今回のシャヴァンヌ展は、習作と完成後に描かれた縮小画を比較することができる展示になっていて、構図が変わっていたり、縮小画は壁画とは異なる色彩になっていたり、と違いがわかって面白かった。

パンフレットにも用いられた(←)リヨン美術館の壁画『諸芸術とミューズたちの集う聖なる森』は、さすがにオーラが違ったというか、美術・絵画に疎いワタクシでも自然と足が止まった。
この理想郷、アルカディアの背景には、プロイセンとの戦争(1870~71年の普仏戦争)に敗け破壊されてしまったパリを思って描いたものだとも言われている。
普仏戦争は、『気球』『伝書鳩』という対の作品にもっとダイレクトに描かれていた。パリを気球で脱出したフランスの要人たちが伝書鳩を使って情報収集していたのだという。
また、パリを想う気持ちからか、パリの守護聖人である聖ジェヌヴィエーヴ(5世紀にフン族がガリアに侵攻した際、パリの無事を神に祈った女性)を描いた『聖ジェヌヴィエーヴの幼少期』という作品も描かれており、これについては解説ビデオも紹介されていた。

第4章では、シャヴァンヌの影響を受けた、日本の洋画家・黒田清輝が住友家のために描いた壁画『昔語り』の下絵も展示されていた。確かに、平家物語の語り部のまわりに人が集まっている構図は、ホメロスの話を聞く若者たちが描かれているシャヴァンヌが描いた『休憩』と似ている部分があり、黒田はかなりシャヴァンヌを研究していたのではないかと思った。

歴史背景を含め、なかなか興味深い展示でした。

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